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鍾馗(しょうき)さんの話

鍾馗さん1

薬新堂の鍾馗さんのお話

薬新堂の屋根には瓦で出来た鍾馗(しょうき)さんが鎮座しています!
みなさんは鍾馗さんってご存知でしょうか?髭面のいかつい姿は五月人形や掛け軸でも見られますが、昔は鬼瓦と共に日本家屋の屋根に据えられていたものです。これは薬新堂の前の店舗が作られた昭和40年代に屋根の上に据えられていたものです。当時、町内の友だちから夜、月に照らされた鍾馗さんが屋根の上に立っているのを見ると怖いと言っていました。今から半世紀ほど前の洞町は田んぼばかりだったので、その中でまだ珍しかった2階建ての屋根から闇夜に睨みを訊かせていた姿は確かに生きているようで怖かったのかもしれませんね。それを33年前に薬新堂が新築移転した際に屋上に一緒に設置してもらったのです。
本年3月から4月にかけての店舗改装で屋根を張り替えた際に再度しっかり固定してもらいましたが、現場監督さんが、今時こんな立派な鍾馗さんを作れる職人さんはいないと話していました。それもそのはず、私の母の実家は豊田市で瓦屋さんを営んでいて、そこの瓦職人さんが薬新堂が新築した時に立派な鍾馗さんを作ってくれたのです。久しぶりに屋上で鍾馗さんに再会して気になったので鍾馗さんについて調べてみました。
(以下、下段の鍾馗さんの由来へ続きます)
 

鍾馗さん2

鍾馗さんの由来

鍾馗さんとは唐の時代に皇帝が病に伏している時に、夢の中に現れた鬼を鍾馗と名乗る髭面の大男が退治し、病気が完治したことから「鬼より強い鍾馗さん」として疫病神を祓い、魔を取り除く家庭の守り神として祭られるようになったのが始まりのようです。
 そして、こんなエピソードもありました。昔、京都三条にある薬屋が大きな家を建てた際、屋根に大きな鬼瓦を据えたそうです。その鬼瓦を見た、向かいの家の娘が、その鬼に常に睨まれているような気がして夜ごとうなされ、ついには病気になって寝込んでしまったのです。家族は病気を治すために、様々な手をつくしたけれど、一向に良くならないので娘が言う、その鬼瓦を取り外してくれないかと、薬屋に頼んだのですが、薬屋には大金を払って取り付けた鬼瓦なので外す事はできない!と言われてしまいました。そこで家族は鬼に勝つものは何か?と考え、中国の伝説にならい鐘馗さんの瓦を特別につくってもらい屋根に置いたそうです。すると、娘の病はすっかり回復したといいます。これが鍾馗さんを屋根の上に飾るようになった由縁だそうです。そして、今では隣家の鬼瓦に対するというよりも、自分の家に降りかかる邪気を祓い、守るために取り付けられることが多くなっているようです(参考:淡路瓦タツミさんのHPより引用)。
 鍾馗さんのエピソードに薬屋が出てくるのには驚きましたが(あまりいい印象ではありませんでしたが)、疫病神を祓う守り神と言えば、今はアマビエさんが有名ですが、鍾馗さんにもそれ以上の御利益がありそうですね。薬新堂の屋根の上に鎮座している半世紀以上も前に作られた鍾馗さんもこんな新型コロナウィルスの流行は想像もしていなかったでしょうが、奇しくも今回の改装で久々にその姿を拝み、新型コロナウィルスの終息をお祈りしました。
 そして、これからも原因不明の疫病の守り神として、慢性病で悩む病人さんたちの病邪を排除し、みなさんの健康を守ってくれることでしょう。
 
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